晴鉄雨読

晴れの日以外はカメラを握らず。雨なら家で読書をば

なんか、いい駅、こんな駅 その1 美袋駅

「昭和感」を全面に押し出して頑張ろう!というのがこの駅を存続させている団体のモットーらしい。実際、自動改札以外は本当に令和にあるような代物ではないのだが、、、イルミネーションのない時期に来たいなぁというのが本当のところである

ただ、雨上がりの美袋駅を照らす煌びやかなイルミネーションを撮るのもまた一興。虫だらけの夏に来るよりかはこういう冬の時期に来た方がなんだかんだ言ってオトク感のようなものを感じるものだ

欲を言えばシルエット形式で人の流れを写すのも良いかな(プライバシー配慮を考えると顔や服装などをすべて隠すことのできる自然のモザイクとして最も好適なのはシルエットにすることだと思っています)と思っていたものの、残念ながら私の撮影した列車からは誰一人降りず。。

なんだか寂しいなぁと思いながら、せめてもの励ましの意を込めて気合の30秒露光で駅舎全体を撮る事にした

でもやっぱり、人の動きがあったほうが「駅」って感じがするなぁ。。と我儘を言いながら美袋の駅にしばしの別れを告げることに。駅舎が残っていたらまた来ようじゃあないか

帰りの列車を待つのも私一人だけ。夜から岡山へ出るなんて野暮ったいことをするのは他所から来た人間くらいのものだ。と誰もいない駅で一人待合椅子に座って思う

程なくして列車がやって来た。待つ間にもずいぶんと私を冷やしてくれた木製の椅子を入れて撮る。岡山とはいえ山間部の夜の寒さはなかなかに応えた。

58.待避

2024.01.03 総社駅

新見から乗った普通列車は複線となる備中高梁を越えてもいくつかの駅で特急列車の通過待ちの停車が存在する。総社駅でも停車のその一つだ

倉敷までの帰りの列車の車内で「もうこの先でやくもを撮る事はないだろう」と思っていた矢先、車内アナウンスで「総社駅で特急列車退避のため9分停まります」と案内がされた。これは占めた!と思った私は即座に三脚とカメラを準備しスタンバイ。親切なことに特急が通過する本線ホームの案内表示器には通過時刻が表示されていた

その表示によれば列車到着から5分後に通過するんだそう。構図に迷っている時間はない。いろいろ撮りたい画はあるものの、今回はしなの鉄道で試したかった構図の予行演習も兼ねてということでこの構図に

しかし駅周辺が予想以上に明るかったうえにロービームでの停車ときた。

そんなわけで限界まで絞ってもこの有様に。街が栄えているのはいいことだけれども、もう少しばかり暗かった方が撮影には向いていたかなと思うものである。本当は「ビーム!!!」というのがはっきりわかるくらいの構図を組みたかったんだけど。。。。と後々になって思うものである

まぁ、これはこれでいい教訓として信濃の国まで持って帰ることとしたい

沿線描画 その3 冬の知らせ

伯備線沿線

年末の墓参りの仏花といえばナンテン。都市から離れた地域では大規模墓地を建設するというよりかは集落ごとに小さな墓地群のようなものを建設する傾向がよく見られる

伯備線でもその傾向があるのは言うまでもない。特に総社以北はその傾向が特に顕著に表れる区間といってもよいだろう。小さな祠や古い納屋、そして小さな墓地群などなど...そういったものを見るとなんだか得も言われぬ懐かしさを感じるものである

写真のナンテンも墓地のすぐそばで実をつけていたもの。おそらく仏花から落ちたナンテンの実が育ったものだろう。冬になり、ちょうど傍の墓の仏花と同じ実をつけていた

青い空と赤いナンテンの実の美しいコントラストによく似合う「ゆったりやくも」色の特急車両を入れて一枚。

57.最後の牙城

2024.01.03 岡山駅

115系最後の牙城、岡山。ついに昨年長らく難攻不落とまで言われた岡山地区の国鉄型王国にメスが入った

117系が引退し、宇野線からは115系が駆逐寸前まで追いやられているというその惨状を見るとやはり鉄道マニアとしては平然と115系が走る岡山地区がどんどんと崩壊をしていくその序章を見ている気分になってしまうものだ

おそらくこのままのペースでいくと2,3年後には岡山地区は現在のような「国鐵岡山」の体をなしていないだろう。とはいえそんな現実が迫っていることは分かっていながらもここ1年程はなかなか手が出てこなかったのである

しかし思い起こしてみれば「何気ない国鉄型が走る風景」というものを記録せずに何度後悔したことか。千葉、長野、北陸、広島、高崎、新潟と国鉄王国が一つ一つなくなっていくごとにその後悔の念は増幅しているような気がしてならない。もう二度と後悔することのないように!と自分に言い聞かせながら「今度こそは」と思いつつ何気ない113と115の並びにカメラを向けてみた

もしかすると1月の運用変更でこの並びもなくなるかもしれない。先の見えない国鉄型の未来を案じるばかりである

今はサンライズや381に釘付けなマニア達もおそらく昔の私のように「もっと撮ればよかった」と後悔の念を抱くことになるかもしれない。何度も何度も繰り返した遠い昔の自分の姿を見ているようでなんだか懐かしい気分にもまたなったのであった

沿線描画 その2 秋の残り香、冬の足音

伯備線沿線

東京では既にほとんどの柿の木から実がなくなっている頃でも、岡山地区はいまだにたわわに柿を実らせた木がそこかしこに見受けられる

しかし12月の下旬ともなればさすがに鳥に食べられて実がほとんどなくなってしまった木が多くなるようだ。そんな中でもいまだに秋の残り香を感じさせてくれるようなたわわに実をつけた柿の木を見つけた

もう人が食べられるような実ではないだろうが、これからの厳しい冬の時期には鳥たちの貴重な食糧源となるだろう。伯備線沿線にもいよいよ本格的な冬が顔を覗かせていた

沿線描画 その1 懐かしのまちを走る

伯備線沿線

沿線で見つけた「塩」の看板。日本専売公社が塩を売っていたころの名残だろうか、「たばこ」とセットで見かけることが多いものの最近はこういうレトロな看板を置く店も少なくなったように思う

そんな久しぶりのレトロ看板との再会をモノにすべく商店のガラス窓に反射する伯備線の列車とともに映すことにした

こういう「棚ぼた的発見」があるのも徒歩鉄の醍醐味だ

56.謹賀新年

2024.01.01 三輪臨

大神神社の参拝のため桜井線に入線した201系。4年位前までは103系が入ってアツい!と騒がれたものだが、今では201が入っただけでも騒がれるようになってしまったようである

なんでも今年が最後の入線とのことで、例年よりもTwitterでは「201系 どこ」のようなツイートがTLをにぎわせていた。そんなTLを横目に「今年の撮り初めは何にしようかな」と考えていたのだが、やはりこうも賑わっていると行きたくなるものである

しかし、SCWを見ると雲がかかっているようで予報でも「晴れは期待できなさそう」とのことであった。それでも元日のチャンスはモノにしたい!ということで天気予報を無視して出撃した

まぁ当たり前といえば当たり前のことなのだが、当然撮影地はドン曇り。な~んだ寝正月しとけばよかったじゃねぇかとボヤきながら空をじ~っと見つめていると、ところどころ晴れ間が見えそうであるものの練習電が来るとなるとすぐに曇りだしあたりは真っ暗に。

それでも一縷の望みにかけて曇りの中本番5分前まで待っていると、あたりが晴れだしたのだ。これは占めた!と思い、攻めた設定でモノを待つ

すると程なくして踏切が鳴り元日の暖かな光を浴びた列車が姿を現した。